2009年03月28日

47日目

伝言だ。

1、もっと体を鍛えろ。
2、服が破れたから新調しろ。
3、唄をちゃんと全部思い出せ。
4、猫飼うぐらいなら蛇飼え。
5、俺の許可なく死ぬな。

以上。


∬月δ日

=クートの日記=

昨日は、どうにも、記憶がなくなっているようだ。
ライゼとデオークさんと一緒に、パーティの集合場所に向かっていたことは覚えているのだけれど、
その途中で何があったのか、俺は覚えていないようなのである。

デオークさんによると(ちなみに先程デオークさんに殴り起こされた)
「お前後で問い詰めてやる、っつか考え無しに行動すんじゃねぇとりあえずもう一発殴らせろ!(実際殴られた)
 とりあえず俺は石ころさんに治癒魔法お願いしてくる、お前何も歌ったりすんなよ!
 ちっくしょーあんのくそ赤眼野郎今度会ったら…二度と会いたくねぇよ!」

だそうだ。正直意味が分からない。
デオークさんが何故全身擦り傷だらけだったのかも分からない。
帰ってきたら、色々と問い詰めたい気分なのはむしろ俺の方だと思う…。

ともかく、起きた後、何故か無造作に落ちていた俺の日記帳には、
↑俺の筆跡ではない字で伝言が残されてた。
デオークさんも共同で書いているけど、彼とも違う字だ。

実際俺の服は破けていたわけで。(新調しないのはセンス云々よりお金がないからなので無理だ

気になるのは、「3、唄をちゃんと全部思い出せ。」と「5、俺の許可なく死ぬな。」


”唄”を全部、とある。


どういうことだろうか。


”俺”の許可なく、とある。



・・・・・誰、なんだろうか。


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暗い。


これは、空間か。あるいは、無か。


空間と呼ぶにはあまりにも広がりがなく、

無と呼ぶにはあまりにも、哲学がない。






ふいに、暗がりが揺らめく。

次の瞬間には、其処には男が一人。

ほとんどが背景に同化する中、二つの紅い瞳だけが浮かび上がっている。




















相変わらず、暗い。

一番、見慣れた光景だ。




久しぶりの『外』も、相変わらずだった。

変わったのは、゛媒介゛だけ。

゛アイツ゛と゛コイツ゛の違いは、やはり自分にも影響した。


だがしかし、やはりよく似ていると言うべきだろう。


゛ふふ、私の、宝物だよ゛



ふと、アイツの言葉を思い出した。



゛君の生き方を否定はしないよ゛


そう言い切った人間も珍しかった覚えがある。
その甘いところが癪に障るんだ、と言ってやったこともあったか。


゛代わりに、私の生き方を否定される気もない゛


そうだ、お前はそうも言った。

───そのお前が何故、俺を遺す必要があった?



「…………最後までつくづく食えねェ野郎だぜ」





ああ、だが、感謝するぜヨハネス。


───こんなにゾクゾクするのは、久しぶりだからな。




















一瞬、紅い二つの灯が、風に吹かれたように揺らめいて―――消えた。
posted by 太秦 at 18:14| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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