「あとで書けばいいか〜」と思っていました。
ええ、まぁ、書き忘れたんですけどね!^p^
「後で足そう」って忘れる確率50%超だよね!
というわけでまぁ、今更なので足さない!本文は、追記に。
「デオークさん、ちょっといいですか?」
軽い昼食を済ませて、まったりモードだった俺に唐突に声がかかる。
そういえばこいつ、さっきから何か書いてたな。
「何だよ。お前何してたの?」
「歌うなって言われたので、とりあえず例の歌を譜面に起こそうと思ったんですが」
「…………うん。で?」
「譜面にするのって、歌いながらじゃないと難しくないですか?」
「俺が知るか!」
俺は音楽の知識は人並み程度で、譜面化のコツなんか知らない。
と言うかそもそも例の歌を譜面化する必要性が感じられない。
「で、楽譜にして一体どうするつもりなわけ?」
「いや、デオークさんはもうヴィルギルさんに会いたくないんですよね?」
「人を移動させるのに地べたを引き摺るような奴にはな…」
「で、俺はこの間は会えなかったんですよ」
「だろうなぁ、お前に乗り移ってたんだし」
「そして俺は会ってみたいんです」
「…………あ、そ。で?」
「だから俺が楽譜に起こして、それをデオークさんが歌えば一件落着」
「なわけねーだろボケ!」
本気なのか歌うなと言われた当て付けなのかがわからないのが困る。
いや本気だなこれは。マジでやろうと思ってんのな…。
「とりあえず俺は自分の頭から蛇がにょきにょき生えてくるのは御免だ」
「大丈夫ですよ、意識なくなるんで」
そういう問題ではない。
もうそれは気持ちの問題だから、こいつに説明するのは無謀というものだ。
「あーもー。とにかくだな、歌より先に思い出すことがあるだろ!」
「でもまったくもって思い出せないので会った方が早いかと…」
「諦め早っ!?」
そう言われても無理そうなものは無理なんですよ…、と頭を掻く。
と言われても、クートの記憶以外には手がかりがないのだからそれに頼る他ない。
あいつは、何か言ってなかったっけ?
あーちくしょう、あの時は相当ビビってたから、正直はっきり覚えてやしない。
「向こうは俺のことを知ってる風だったんですよね?」
「多分だけどな。名前を”忘れた”って言ってたから知ってたんじゃねぇの…」
・・・・・・・あ。そういえば、
「”俺の界隈では、クルトって読む”とか言ってたような…」
その後、何かもう一言言っていた気がする。
”ああ、アイツ、そっちの発音好きだったもんな”
そうだ、これ。
あの時はそれどころじゃなかったけど、そういえば”アイツ”って一体・・・・?
「ああ、地方によってはクルトと読むはずですね、俺の名前は」
「お前のことそう呼ぶ知り合いとかいなかったか?」
少し考えるも、
「うーん…特にいなかったと思うんですけど…」
「じゃあ逆に”クート”の方の発音が好きだったやつとかは?」
「うー・・・・、そもそも、祖父が死んでからは半放浪生活でしたし、知り合いと呼べるような人もあまり…」
「あ、そうか・・・・・・・・・・・・」
ま、確かにそれは本当なのだろう。
つくづく、この男は割と大変な背景に対して、よくまぁこんなに素朴に育ったものだ。
「というわけで、じゃあもう、俺がもう一回歌いますね」
「いやいやいやいや!待て待て!もうちょいちゃんと考えてから行動に移せ!」
そりゃ、俺としたってもう一度会って色々問い詰めたいのは確かなんだが。
でも、何かこう、不用意にぽんぽん呼び出すべきじゃない気もするんだよな。
少なくとも無害とは到底言えない奴だったし。
正体とか能力とかをさておいても、とりあえず性格の時点で。
大体アレだ、この前は俺達だけだったから良かったけど。
「今回は皆同行中だぜ?どう説明すんだよ」
「デオークさんとヴィルギルさんが説明してくれるでしょう、きっと」
「丸投げかよ!」
そうなったら俺に理不尽な火の粉が飛んでくるのは目に見えてんだろうが!
「と・に・か・く!変な所だけアグレッシブになるのはやめろ!もうちょっとだけ考えてからにしろ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・返事は?」
「・・・・・・いや、まぁ、そうするべきなんでしょうね・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・不満見せすぎにもほどがあるぞこの野郎!
まぁ、アレだ。実際どうするのが一番なのかは、俺にも全く分からないんだけど。
自分の体が乗っ取られるという事態に、もうちょっと危機感を感じたりしないのか、こいつは…。
【関連する記事】